2011-12-27

2011年の講義終了!10-12月の講義を振り返ってみました!

臨床系講義(注:参照)の先生を3パターンにカテゴライズしてみました!
印象として、Bグループの先生がちょっと多すぎるんで、
そこがもうちょっとAグループに食い込んでくれればなぁ、と思います。


・Aグループ

このグループの先生は、
医師国家試験(国試)という目先の目標にとらわれることなく、
臨床医になってからも役立つ講義をしてくれます。
メッセージ性の強い講義なんですよね。
今月始めに受けたある講義では、
ある点滴をするときに、絶対忘れちゃいけないこと、
ベッドで長時間同じ姿勢で過ごすことになるとき気をつけなければいけないことなどを
これらがよく起こりやすい病気と関連づけて教えてもらえ、
臨床医として現場で動ける知識を身につけられました。

長期的に生徒のことを考えてくれてるなぁってことをすごく感じます。


・Bグループ

医学部には、このグループの先生が一番多いです。
国試に役立つ講義をする先生方になります。
講義自体はわかりやすいです。

ただ、このグループにおける問題点は、習ったことがすぐに頭から抜けてしまうことです。
つまり、臨床の現場で使える知識はあまり習わない。
きっと試験のために事実を整理し直して、それを教えていることが問題なんだと思います。

イメージとしては予備校の講師ですね。
わかりやすいし、模試の点数も上がる。
ただ、受験が終わるとあっという間に頭から抜けている。
あれ、あの先生から何習ったっけ?って感じで。
医学部の場合は、模試=通常の試験、受験が終わる=国試が終わる、になりますね。

Aグループの先生が長期的だとすると、
このグループの先生は短期的に生徒をみているなあという感じを受けます。


・Cグループ
このグループは、教師としては問題外の方々ですね。数は少ないです。
研究者としての実力はどうなのかはわかりませんが、
少なくとも生徒の前に立つべきではありませんね。
事実の羅列が得意技。
(国語の授業でいえば物語・小説を棒読みする先生。配布資料やスライドの文章をその通りに読むだけ)
講義めんどくさいオーラを出すのもこのグループの教師が一番多いですね。


始めにも書きましたが、医学部にはBグループの先生が多いです。
というかほとんどです。
ただ、これはシステムの問題であり、教師の問題じゃないと思うんですよね。

というのも、日本の医学部は、国試の合格率で
「いい医者をつくっている」大学か「そうではない」大学かを評価するので。
大学にいる先生方もその評価基準にあわせて講義しちゃうんですよね。
なんでこのシステム下では仕方ないことなんですね。

だから、今日の朝日新聞一面の
福島原発の事故調査・検証委員会の中間報告の記事にあるように、

「関係者の責任追及は目的とせず、組織的・社会的な背景を明らかにする方針で(今回の調査に)望んだ」

こういう視点をもってこの現状を捉えていくことを僕は望みます。

Take It Easy!


注)臨床系の講義・・病気になるしくみ、治し方、その治療の結果を中心に勉強します。
          現実感のある講義です。対義語のようなものは「基礎系の講義」。

2011-12-02

なぜ僕たちは白衣を着るのか?

よい影響を与えてくれる教師はよい問いも与えてくれます。
今週、ある先生が、
「なぜきみたちは白衣を着るのですか?」と。

(先生は、問いの内容には触れず
「考えてください。一年半後に始まる臨床実習でもう一度聞きます。」
とだけいって授業を終えました。)


僕は、
患者さんときちんとしたコミュニケーションをとるためだと思います。


なぜなら、医療の始まりは、多くの場合、
診察室での患者さんとのコミュニケーションから始まるからです。
そこで患者さんと交わすコミュニケーションなしには、医療を行うことはできません。

そのコミュニケーションの中には、
白衣を着た医師からの無言のメッセージも含まれていると僕は思います。

「あなたに危害を与えるようなことはしません。」
「安心して悩みをお話ください。」

こういった無言のメッセージを、
まず白衣を着た医師が患者さんに送り、
そこからコミュニケーションが始まっていくのだと思います。

病棟、回診などでもこれは当てはまると思います。



また実際の医療現場を頭の中で思い浮かべてみると、

きっと患者さんは、
診察室、病棟などで白衣をきている人を
医師として認識すると思います。

つまり、
医療現場で、白衣を着ている人はすべて医師としての役割を期待されます。
その役割とは、
医学における憲法であるヒポクラテスの誓いにあるように、
「患者さんのために尽くすこと」です。

それを果たすためにも、
きちんとしたコミュニケーションは欠かせません。

そして、そのきちんとしたコミュニケーションをとるために
医師は白衣を着ているのだと思います。



今週は、
臨床医学を踏まえた授業をいつもよりたくさん受けることができ、
とても中身の濃い一週間を過ごせました!


それでは、皆さん、よい週末を。
Take It Easy.

2011-11-21

ブックレビュー「誰も教えてくれなかった診断学」


診断とは何か、を理解できるだけでなく、
臨床医が、普段どこに思考力を使っているかも学び取れる、そんな本です。

また、ただ単に診断学についてだけではなく、
日本の医学教育の弱点、それをどうしていくかの方向性も示してあり
一石三鳥の本です。

知識の整理を、カードづくりに例えているところが印象に残りやすい。

臨床系の講義が始まる前にさらっと目を通しておくだけで、
かなり講義の中での、目のつけどころが変わると思います。

個人的には、夏休みに読んでおけばよかったとすこし後悔。

これからの勉強の仕方・講義の受け方・教育の改革方法
これらを考える上でとても役立った本です。

以下、僕の目にとまったフレーズ集です。



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ヒトが思考作業を行う場合に、一時に扱える情報の数は最大で7個程度であることがわかっている。

有用なマニュアルやテキストは、「生きカード」の『かたち』で医学知識を提供している。
新しいマニュアルが屋上屋を架すがごとく出版される理由は、新しい医学知識を提供するというよりも、新しい視点の切り口(clinical problem = インデックス)のカードを提供しているという意味が大きい。

誤った「常識」

医学部の教育では、伝統的に発病メカニズムが医学的に興味深い疾患を重点的に教える傾向があり、疾患の頻度は重視していない。このため医学生に鑑別診断のリストを作らせると、稀な疾患ばかり挙がってきてしまう。

鑑別診断のリストを優先順位に考えるのは、「頻度」「時間」「アウトカム」の3つの軸である。

臨床医は偽陰性により疾患を見逃せば直接的な害を受けるので偽陰性には敏感であるが、
偽陽性は間接的で無視されやすい。

今のところわれわれがベストだと考えている診断推論のトレーニング方法であり、以下の3段階からなっている。
1)手持ちの「生きカード」を増やす。
2)適切なカードにたどりつく訓練を繰り返し行う。
3)診断を確率的に考える訓練を行う。

診断とは患者が疾患を持つ確率を変化させること。

結局、偽陽性の対応が医療のコストを押し上げ、医療資源を枯渇させることになる。

筆者らが本書で提唱したいことは、患者の「訴え」や医学的問題点をいかに適切なカードに落とし込めるかの反復練習を、わが国の臨床医学教育の場に導入することである。

違和感を大事にしよう。おかしい、自信がないと感じたら、直感的に心に浮かんだ診断に固執しない。

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Take It Easy.

2011-10-30

ソフトとハード。

「医療ってのはソフトなんだよね。」

僕が最近メモした「影響を受けたワンフレーズ」です。
ゴールがソフトであるからこそ、
医学教育もソフトの面を重視したシステムになるべきだと思います。

ソフトは、ハードと対になる言葉です。
このサイトの説明わかりやすかったです。
この管理人の方は目に見えるかどうかという観点で説明していました。


僕自身はこの二つの違いを、

ロボットに任せられる事柄かどうか

が、ひとつの判断基準であると思っています。


例えば、医療の話になりますが
コミュニケーションの取り方、触診の仕方、治療方針の立て方、手術一連の流れ、など
どの場面をとって見ても、
現状ではどれもロボットには任せられません。

こういったことを考えると、
教科書に書いてある知識だけを覚えて
なんとなく進級していく(進級できてしまう)システムは間違っていると確信してしまいます。

というのも、
卒業したらいきなり!やっていく分野が変わるわけですから。(ハードからソフトへ)

今僕らがやっていることはロボットにもできますから。


医学教育は変わらなければならないと強く思わせてくれる一言でした。


Take It Easy!

2011-10-27

手術と飛行機。

心室中隔欠損という病気の手術で患者さんが亡くなる確率は2%です。
言い方を変えると98%の確率で助かるということです。

みなさん、この数字をどう捉えましたか?

ちなみにこの病気、通常、心臓は右の部屋と左の部屋分かれていますが、
分けている壁に穴があいてしまい動脈血と静脈血が混ざってしまう病気です。
手術ではこの穴を縫う、もしくはパッチで塞いで治します。




さて、飛行機について。
御巣鷹山での墜落事故以降、日本では一機も墜落していません。
現在、羽田ー伊丹間の便数は一日約60便。
毎日事故もなく安全に運行しています。


始めに出しました手術における2%のリスク。
2%ってことは50人に1人の患者さんが亡くなるということです。




50便に1機墜落する飛行機があるとしたら、
つまり毎日1機、羽田ー伊丹間で墜落する。。。。

みなさん、乗りますか?





こんな話を昨日、心臓手術の講義で聞いたので紹介しました。


将来挑戦してみたい分野である先天性心疾患の講義はやはりおもしろく
学校に行く足取りが軽い毎日です。

Take It Easy by sumolovers

2011-10-22

みにくいアヒルで終わらせないために。

先進国の医学教育は医療の追求です。
それに抗し、日本は医学の追求に偏りがちです。

その偏りの一つ特徴が、基礎医学のコマ数が多いことです。

一ヶ月程前までは
これはよくない、臨床をやるのだから臨床を中心にすべきだと思っていましたが、
すこし捉え方が変わってきました。

というのも、ある先生と医学教育についてお話しているときに、

「研究に進まない限り、卒業してからずっと臨床(臨床医学)をやることになるからね。
実際、今しか(学生の間のみ)基礎医学をやらない人もでてくるし、(サボれば)一生やらない場合もある。
でも医者をやっていく上で基礎医学がいらないってことは絶対にないわけで、基礎に重点を置く日本のシステムも絶対によくないとも言えないんだよね。」

というようなアドバイスをもらったからです。

たしかに卒業してからずっと臨床をやるとしたら、
ある一定の期間、基礎医学をきちんとやっておくのもアリかなと。

海外の医学生はそれほど基礎医学に時間を割かないみたいですから。
基礎医学をしっかり修めた学生がたくさんでてくれば、
それはそれで日本の医学生、医療会の強みになるでしょうし。

それに大学は研究機関でもあるので、そこにはその道のプロがたくさんおられます。
気軽に質問できますし、臨床にどう役立っているかも聞こうと思えば聞けます。
恵まれた環境は存分に使いたいものです。


このアドバイスをもらったあと、
いつも研究でお世話になっている先生と基礎医学についてお話しする機会があり、

いろいろある中でも

「生理学、生化学、病理学(or組織学)、薬理学」

が大事であると。

なので、
ひとまずこのアドバイスを信じて、この4つを中心に勉強、復習していこうと思います。

Take It Easy!

2011-10-14

People are People.

よりよい待遇にマン・パワーが流れる。
医療界が抱えている問題は共通してるんですね。
深刻なのは日本だけかと思っていましたが、そうではないみたいです。


お久しぶりです。
最近投稿するたびに、この言葉を使っているような気がします。
継続できる仕組みを考えたいものです。

話を戻します。
今日は、夏休みに旅行先で感じたことのちょっとしたまとめです。

今回滞在した国々(イングランド、フランス、ケニア)も日本と同じようなマンパワーの必要なところに、
十分なマンパワーが行き届かないという問題を抱えているそうです。

旅先で、それぞれの国で医療に携わる人と話す機会があり、
(ケニアでは看護師さん、あとの二ヶ国では現役の医師)
日本は、今、地方で・キツい診療科でマンパワーが足りてないんだと話したところ、

「うちの国もそうだよ。private hospitalとかに行っちゃうんだよね。」との返答。


良い待遇にマンパワーが流れてしまうのは、
今の世の中の一定の流れなんですね。


あともうひとつ、こちらは医学部生活関係です。

日本よりも良い医学教育システムを持つとされているEnglandでも、
学んだ知識はすぐに抜けちゃうそうです。
テスト前に詰め込んで、終わると忘れる。

フランスの医学教育システムはよく知りませんが、
フランスの学生もこういった問題に頭を悩ませているそうです。

テストのために暗記する。終わると忘れちゃう。
このパターンも共通しているなぁと思いましたね。

システムがどうあるべきかも大事ですが、
自分で自分が使いやすいように知識を整理することも同様に大事なことですね。



と、以上のことを
僕のお気に入りの英語の先生に話したところ、

一言「People are People.」

みんな、同じ人ですもんね。
それぞれの国・コミュニュティはそれぞれに特有な文化などをもちますが、
構成するのが人という点では、差はありませんから。
同じような問題を抱えることはそこまで不思議なことではありませんね。

ふと感じたことがより自分の中で消化されるような一言でしたね。

Take It Easy!