2011-11-21
ブックレビュー「誰も教えてくれなかった診断学」
診断とは何か、を理解できるだけでなく、
臨床医が、普段どこに思考力を使っているかも学び取れる、そんな本です。
また、ただ単に診断学についてだけではなく、
日本の医学教育の弱点、それをどうしていくかの方向性も示してあり
一石三鳥の本です。
知識の整理を、カードづくりに例えているところが印象に残りやすい。
臨床系の講義が始まる前にさらっと目を通しておくだけで、
かなり講義の中での、目のつけどころが変わると思います。
個人的には、夏休みに読んでおけばよかったとすこし後悔。
これからの勉強の仕方・講義の受け方・教育の改革方法
これらを考える上でとても役立った本です。
以下、僕の目にとまったフレーズ集です。
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ヒトが思考作業を行う場合に、一時に扱える情報の数は最大で7個程度であることがわかっている。
有用なマニュアルやテキストは、「生きカード」の『かたち』で医学知識を提供している。
新しいマニュアルが屋上屋を架すがごとく出版される理由は、新しい医学知識を提供するというよりも、新しい視点の切り口(clinical problem = インデックス)のカードを提供しているという意味が大きい。
誤った「常識」
医学部の教育では、伝統的に発病メカニズムが医学的に興味深い疾患を重点的に教える傾向があり、疾患の頻度は重視していない。このため医学生に鑑別診断のリストを作らせると、稀な疾患ばかり挙がってきてしまう。
鑑別診断のリストを優先順位に考えるのは、「頻度」「時間」「アウトカム」の3つの軸である。
臨床医は偽陰性により疾患を見逃せば直接的な害を受けるので偽陰性には敏感であるが、
偽陽性は間接的で無視されやすい。
今のところわれわれがベストだと考えている診断推論のトレーニング方法であり、以下の3段階からなっている。
1)手持ちの「生きカード」を増やす。
2)適切なカードにたどりつく訓練を繰り返し行う。
3)診断を確率的に考える訓練を行う。
診断とは患者が疾患を持つ確率を変化させること。
結局、偽陽性の対応が医療のコストを押し上げ、医療資源を枯渇させることになる。
筆者らが本書で提唱したいことは、患者の「訴え」や医学的問題点をいかに適切なカードに落とし込めるかの反復練習を、わが国の臨床医学教育の場に導入することである。
違和感を大事にしよう。おかしい、自信がないと感じたら、直感的に心に浮かんだ診断に固執しない。
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Take It Easy.
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